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ALSO-Japanについて


  Advanced Life Support in Obstetrics(ALSO)とは、医師やその他の医療プロバイダーが、周産期救急に効果的に対処できる知識や能力を発展・維持するための教育コースである。またプライマリケア医だけでなく産婦人科の研修医を対象とした訓練でもある。1991年にACLSとATLSに基づいて、ウィスコンシン州の一般診療医師二人がALSOを考案した。1993年にコース権利はAmerican Academy of Family Physicians(AAFP−米国家庭医学会)によって認可され、現在全米ではほとんどの分娩施設において、分娩に関わる医療プロバイダーがALSOの受講を義務づけられている。またALSOコースは世界的に普及活動が行われており、2009年現在までに、50ヵ国以上でプロバイダーコースが開催され、10万人以上がALSOコースを完了した。
  コースの教材は、シラバス(教科書)、レクチャー、実地訓練のためのマネキンを使用したワークショップである。筆記試験とマネキンによる実技試験(メガデリバリー)がコースに含まれている。ALSOはLDRにおける産科の救急的対処を強調しているが、その他に出産前のリスク評価、妊娠初期の性器出血、患者−医師関係、出産危機における両親のサポート、そして医療過誤リスクの減少といったテーマも含まれている。
  プロバイダーコースは二日間。重要レクチャーは妊娠初期の合併症、難産、妊娠の内科的合併症、妊娠後期の性器出血、分娩後大出血、早産、前期破水、妊婦の蘇生法、そしてマタニティケアにおける安全性の8つ。
少人数グループによる重要ワークショップは肩甲難産、胎位・胎向異常、鉗子と吸引、分娩中の胎児監視、重要な症例の5つ。オプショナル・ワークショップ:会陰縫合、帝王切開、超音波検査、出産危機における両親への対処、そして新生児蘇生の5つ。
  プロバイダーコースを完了した際、参加者は3年間有効の認証を受けることができる。プロバイダーコースの教官になることを希望する場合、一日間のインストラクターコースを受講しなければならない。
  日本では2008年に金沢大学の周生期医療専門医養成支援プログラムグループが、米国家庭医療学会から日本でのALSOセミナー運営権を取得し、2008年11月に金沢大学医学部にて初めてプロバイダーコース、インストラクターコースを開催した。日本国内、米国から23名が参加した。2009年4月1日より日本におけるALSO普及活動は、NPO法人周生期医療支援機構(本部:石川県七尾市)がALSO-Japan事業として運営をおこなっている。


2009年4月1日


NPO法人 周生期医療支援機構
TEL:0767-52-3207
FAX:0767-52-3208